思い出に残る食卓の風景|母さんの愛情が詰まったエビフライ

1番心に残っている食の思い出は「エビフライ」
ぼくの食事の思い出と言えば、1番に上がってくるのがエビフライです。
みなさんエビフライと言えば、どんなものを想像しますか?パッとイメージすると10cmくらいのエビフライでしょうか?洋食屋のメニューなんかに出てくるエビフライですかね?
タルタルソースがかかって、いかにも美味しそうなエビフライ。頭が付いているのもあれば、頭のないのもありますね。1匹だったり1匹だったり!くるまエビや大正エビが多いですかね、伊勢海老だったら贅沢ですね。こんなのを想像するだけでもよだれが出ちゃいそう!
しかし、ぼくの心に残っているエビフライは頭をとって5cmくらいの小ぶりなエビフライです。スーパーで売っている安いブラックタイガーか芝エビだったと思います。
しかも、お店で出てくるのとは違って丸まってるんです。余計に小さく見えますね。それが何匹もいたんで量はいっぱいありますよ。いつも山盛りでした!10匹くらいはいつも食べてたかな?
見た目だけで言うと、そんなに良くないかもしれません。でも、母さんが作ってくれたエビフライが1番美味しいんです。
母の愛情を感じる一手間
店に比べると見た目は劣っても、味は最高です!なんて表現したら良いんでしょうか?衣の厚さは薄く 、エビ本体にすぐ出会えます。”衣ころも詐欺”のフライとは違いますよ!
そして味付けは、マヨネーズだけ。
いたってシンプル!
これがうまいんです。隠し味とか、凝った調味料による料理のコツなんかは、くが知る限りありませんでした。
そして、今になってですが「これが愛情だったんだな」と感じたところがありました。
ぼくが小学校でタルタルソースと言うものを初めて食べた時のことです。「これはうめぇ」と子どもながらに感じました。
そうすると欲望に素直なんで家に帰って早速おねだりしました。
「次からエビフライにタルタルソースつこうて(使って)!」
そうすると、母は「そんなん食べたんやな!わかったこうとく(買っておく)!」
次からは即座にタルタルソースがかかったエビフライが出てきました。なんとも美味しいこと。当時は、ただ単に味に感動していただけでした。しかし、今更ながら思い出してみると、これは母の大きな愛情だったんだなと感じます。
今までタルタルソースを使っていなかったんで、わざわざ買いに行ってくれたんです。「調味料1つ買うだけやん。」と思う方もいるかもしれません。しかし、「その調味料の奥に子どもの笑顔が写っているとしたら」愛情を感じる方は多いんじゃないでしょうか?
そして、中学生くらいになるとテレビで「油にレモンをかけると脂肪の消化吸収を促進する」と情報を得た時も即座に、「レモンこうてきて!エビフライにかける!」と言えば、また「分かった!」と用意してくれます。
子どもの頃には愛情を受け取る器がザルの目だった
ただただ、甘えるだけで、母の愛情を当たり前のように感じていました。「してくれて当然!ぼくの母さんなんやけん!」と行った具合に、「どこの王様やねん!」と突っ込みたくなるくらいですね。
でも、そんな母の愛情を受け取ってきたから、今は素直に感謝できる気持ちになれたんだと感じています。
そしてなにより、兄弟の中でエビを好んで食べるのはぼくだけだったんです。他の兄弟は一切食べない。ぼくだけのために用意してくれていたんです。
兄弟の中で特別扱い(?)することが良いのか悪いのかはさておいて、大人になった今、大切な思い出としてしっかり心に残っています。
母さん、あなたの息子はあなたの愛のこもったエビフライのおかげで、子どものころの食卓がどれだけ大事なのかを伝えられるようになっているんですよ。本当にありがとう。
また、実家に帰った時に食べさしてな!
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