管理栄養士として子供にプロテインは勧めない!病気以外の副作用を考える
スポーツをする子どもを持つ親御さんのお悩みベスト2(南部の実感)
スポーツをする子どもを持つ親御さんの悩みはつきませんよね?
スポーツ食育に関して講演をした時に子どもの少食と並行して多い悩みが「プロテインについて」
スポーツするならプロテインが必要!
これはあなたも感じていることではないでしょうか?
しかし、これは胃腸が成長しきった大人が自己責任の上で飲む場合の話。子どもにとっては重大な被害をもたらす危険性もあるんで今一度、プロテインの使用を考えてくださいね。
基本的に、「あれはダメ、これはダメ」ってあまり言いたくないですが、これだけは譲れないことなんでお伝えしています。
子どもにとっては胃腸の成長を妨げてしまう副作用の恐れあり
ぼくがプロテインを子どもにオススメしない理由は大きく言うと2つあります。
1、胃腸の機能を鍛えることができない
子どもの体は見た目の身長、体重だけではなく、内臓も同じように成長しています。特に胃腸に注目して見ると、食べ物を消化して吸収することで鍛えて行くことができるんです。
と、言うとはですよ…
普通の食べ物
→消化してドロドロの状態までして吸収する(胃腸が働く)
プロテイン
→消化しやすい状態のために胃腸はあまり動かなくても吸収されるようにつくられています。
上記の理由で胃腸を鍛えるものではないことは理解いただけましたでしょうか?
確かに吸収はしやすいんで筋肉がついたり、骨の成長を助けたりするメリットもたくさんあります。
しかし、そればかりに頼ると、食べる力を鍛えることはできません。
2、完成されていない腎臓への負担
子どもの内臓は成長段階と言いましたね。そこでプロテインを飲んでいる場合に胃腸の次に注目して欲しいのは腎臓です。
実は、プロテインにたくさん含まれているタンパク質は消化吸収されて有効活用する時に窒素と言うゴミが出るんです。
そのゴミを処理してくれるのは腎臓なんです。
プロテインには普通の食べ物以上にタンパク質がたくさん入っています。だからこそ、ゴミも出やすく、腎臓への負担も大きくなってしまうんです。
腎臓が育ちきっていない子どもには負担が大きいのがデメリットです。以上大きく分けると2つの副作用が考えられます。
プロテインを使用する時にイメージを次の段落で説明します。
エレベーターで登るのか階段で登るのか?
簡単なイメージを掴んでもらうために、エレベーターの例で説明します。
あなたは、体を鍛える時にエレベーターと階段があるとしたら、どちらを使うでしょうか?
足腰を鍛えるなら…もちろん階段を使いますよね?
これと同じようなことが胃腸でもおきます。なにより、内臓も筋肉なんで一緒です。
階段を普通の食べ物と考えると?
→消化吸収に時間はかかるが、自分の力でできる
エレベーターをプロテインと考えると?
→ 一気に上の階にはいけますが、自分の体を鍛えることはない
簡単なイメージとしてはこのような形です。将来的に強い子どもに育つにはどちらを選べばいいですかね?
結局は食事に目を向けて胃腸を鍛える必要がある
親御さんから質問の多い内容でしたが、結論として言いたいことは「プロテインでタンパク質をとるよりも普通の食べ物に目を向ける」と言うことです。
プロテインには素早く吸収できて、不足するタンパク質を補う効果はあります。しかし、あくまで食事を補うものだとして考えてください。
そればかりがメインになると「エレベーターに乗ってばかりですが、将来に備えて体鍛えてます!」と言っているようなものです。
日々の積み重ねが子どもの力になることをお忘れなく。
今回の記事は、珍しく「あれダメ、これダメ」に近い内容でしたが、プロテインのメリット以外に目を向けた話でした。結局は食事が第一だと言うことを親御さんには伝えたくて書きました。
食事に目を向けた場合でもタンパク質に凝りすぎず、まずは ”ごはん”と “味噌汁”から始めることをオススメしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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追記(2018.4.4)
質問があったので追記します。
Q.子どもはなん歳ぐらいのことを言っていますか?
A.成長が止まるまでの年齢を指しています。
Q.食事に対してプロテインはタンパク質が多いと言うが、何グラムを基準としていますか?
A.プロテインの種類により差があるので、特にグラムの基準は出していません。
重量比較でいうと
一般的なプロテイン20g(1食)で10~15gほど、お肉100gで10~15gほどになります。
プロテインの方が簡単にタンパク質を取れるのは事実です。でも、プロテインに頼りすぎると内臓は育ちにくいです。